酒の肴として知られる「そば抜き」の天ぬきだが、富士そばには必ずビールくらい置いてある。だから、揚げ物は全て天ぬきにでき、いくつかつまみながらちょい呑みするのが、時間のある時のぼくのパターン。大ぶりの鶏天や舞茸天なら、かなり満足がいく。あのキラーカンですら、富士そば常連を自称し、好みも決まっていて「かつ丼セット(かけうどん)」という。

遠藤久美子は月に10回来店しかけそばを注文!

 しかし、極めつけの富士そば愛好家がいた。女優のエンクミこと遠藤久美子だ。5年前に結婚し、翌年には出産したが、変わらぬ可憐さをバラエティ番組で振り撒いている。19年5月19日放送の『誰だって波瀾爆笑』(日本テレビ系)では、あまり公にしてこなかった半生を語った。

 東京下町で5人きょうだいの4番目に生まれたエンクミ。8人所帯の家は貧しく、週に2回出されるナポリタンを奪い合うようにして食べたという。芸能界入りして、『人気者でいこう!』(テレビ朝日系)や『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)などでアイドル的人気を得ても、生い立ちの負い目から「贅沢が身につかなかった」とこぼすのだった。そんなエンクミが「20年以上愛してやまない」と語るのが富士そばなのだ。

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