2016年に5年在籍した乃木坂46からの卒業を発表。14thシングル『ハルジオンが咲く頃』ではセンターポジションを務め、卒業の門出を華やかに飾った。卒業シングルという恵まれたタイミングではあったものの、それまでの乃木坂46では見られなかった卒業シングルでのセンター起用は、最年長としてグループに貢献してきた深川の存在の大きさを再認識させることになった。

 乃木坂46卒業後には田中麗奈井浦新高良健吾といった個性的な俳優らが所属する芸能事務所のテンカラットへの移籍を発表。深川は本格的に女優としての道を歩むことになった。舞台を始めテレビドラマやCMなど多数の仕事をこなしていた深川は、2018年に『パンとバスと2度目のハツコイ』で映画初主演を果たすと、同作で『第10回TAMA映画賞』最優秀新進女優賞を受賞。女優・深川麻衣が見せた自然体な演技は、業界はおろか世間にまで彼女の存在を広く知らしめることとなった。

 この作品をきっかけに深川は、NHK連続テレビ小説まんぷく』や『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京)、『まだ結婚できない男』(関西テレビ)、さらには映画『愛がなんだ』や『水曜日が消えた』など、多数のドラマや映画にも出演。多様な役柄にも果敢に挑戦し新味を出した深川は、本格派女優としての存在感を高めていった。

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