■聖火リレーやオリンピックを国民は求めていない?

 現在の状況下での聖火リレーに対して、無理があるのでは、という指摘も少なくない。

「ランナーのほかにも、全国行脚する400-500人規模の運営スタッフがいますが、彼らの3密対策も問題です。リレールートには民宿しかない田舎もありますからね。3月6日の『夕刊フジ』は、“田舎だと民宿しかなく、4、5人での相部屋になる”“火とともに燃料も運ぶ危険物取扱有資格者などは、簡単にバックアップメンバーを用意できない”と、現場の大変さを報じています」(前出の女性誌記者)

 世界的なコロナ禍で「スタジアムで世界各国から訪れた観光客が大いに盛り上がる」といったこれまでのオリンピックは望むべくもない。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(56)は、2月26日の朝日新聞などのインタビューで無観客開催は想定していないと語っていたが、現状ではとても従来の形での開催は困難だろう。

「無観客では2兆4133億円の損失が出る、という関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算が各メディアで報じられたほか、今年1月に共同通信社が行った世論調査では、今夏の開催見直しを求める声が約8割。世間は完全に“オリンピックは中止したほうがいい”というムードです。それだけに、業界サイドも無理にスケジュールを再調整して聖火リレーに臨む意味がないのでは、という意見も出ているそうですよ」(前同)

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