■『花男』スピンオフ作で『おちょやん』ヒロインと共演

 関西ジャニーズJr.出身の平野紫耀がKing & Princeの一員としてCDデビューしたのは2018年のことで、当時21歳だった。

 その初主演作は、キンプリ結成前の『SHARK』(2014年/日本テレビ系)という深夜ドラマだ。ロックバンドを描いたこの作品は、次世代ジャニーズのプレゼンテーション的なニュアンスがあり、濱田崇裕ジャニーズWEST)、松村北斗(のちにSixTONES)、藤井流星(ジャニーズWEST)、岩本照(のちにSnow Man)、神山智洋(ジャニーズWEST)らが顔を揃えた。

 そして、AKB48のメンバーだった川栄李奈が主人公のボーカリスト(平野)の幼馴染を演じている。2021年後期放送予定のNHK連続テレビ小説カムカムエヴリバディ』のヒロイン役が決まった川栄にとって、これがAKB48の枠を出た最初の作品だった。

 そのほか、レコード会社の社員役でモデル出身の山下リオ、元ハロー!プロジェクトで「音楽ガッタス」というユニットでも活動した真野恵里菜が出演。川栄と真野は女優として成功したアイドルグループ出身者という共通点がある。

 俳優として平野の存在が広く知られたのは、キンプリとしてデビューする直前の『花のち晴れ ~花男 Next Season~』(2018年/TBS系)からだろう。

 これは大ヒット作『花より男子』(2005年/TBS系)のスピンオフ作品で、かつて松本潤が演じた道明寺司のポジションにあたる「神楽木晴」役に平野が、井上真央が演じた牧野つくしに相当するヒロイン「江戸川音」に杉咲花がキャスティングされた。杉咲は現在、NHK連続テレビ小説『おちょやん』に主演中だが、“『花男』から連続テレビ小説へ”というのは、井上真央と同じルートである。

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