■『な・ま・い・き盛り』中山美穂の相手役で知名度アップ

 当初「中村成幸」と名乗っていた中村繁之は、1983年に内海光司(のちに光GENJI)、大沢樹生(同)らとともに、「イーグルス」というグループでの活動を経て、1985年に中村繁之名義で『Doファッション』という曲でソロデビューしている。

 当時のジャニーズ事務所からソロで売り出されるというのは、田原俊彦近藤真彦ひかる一平に続く待遇だった。だが、ひかる一平同様、中村もシングル曲がヒットチャートの上位を駆け抜けるといったことはなかった。

 しかし、俳優としての中村は、80年代後半に“あるポジション”において大変に重宝された。当時はソロの女性アイドルが多数存在しており、さらに毎年、新人が続々とデビューしていた。当然、彼女たちが主演するドラマや映画にも相当の相手役が必要になる。中村はその枠にハマったのだ。

 まず中村は学園アクション映画『V.マドンナ大戦争』(1985年)に出演。中村は生徒会長の役で、主演は用心棒のリーダー役の宇沙美ゆかりというアイドルだった。

宇沙美は、撮影スケジュールが『V.マドンナ大戦争』とバッティングしたため、主演が内定していた『スケバン刑事』(1985年/フジテレビ系)を事前に降板したといわれている(実際は斉藤由貴が主演)。

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