以降も和田の個人ＰＶはしばしば、はっきりとした物語を仕立てるドラマ型の作品ではなく、特定の場所に紐づきながら、その土地と彼女という存在との距離感あるいは対照をイメージとして浮上させるものがみられる。そして、このとき和田の背景としてたびたび用いられるのが、大都市としての「東京」を感じさせるスポットの数々である。
■東京の様々な場所に現れる和田まあや
９枚目シングル『夏のＦｒｅｅ＆Ｅａｓｙ』に収録された和田の個人ＰＶ（監督：谷口功、和田大輔）では、まさに東京のいくつかの風景を、ある共通の視点から捉えている。
https://www.youtube.com/watch?v=bCuDO614FAQ
（※和田まあや個人PV「屋上のまあや」予告編）
冒頭、代々木の只中に位置する明治神宮を臨むビルの屋上が映し出され、その屋上の縁に、鎮守の杜を背にして寄りかかる和田の姿がやや遠景から捉えられる。
やがて彼女は別の場所に移ったかと思えば、スカイツリーの姿を後方に頂きながら、マイペースにスマートフォンに没頭する。あるいはまた、新橋駅のＳＬ広場を見下ろすビルの屋上に現れ、靴を脱いで一人、物憂げに歩いてみせる。
いずれも、高層の建物から東京の最も繁華な街並みを真下に臨むロケーションをとりながら、和田はそのつど異なった表情を見せていく。
