ある瞬間には、開放的に都市を生きる姿の象徴として屋上で遊ぶ彼女があり、あるときには新橋のビル群に置かれた小さな彼女が、その場に存在するほとんど唯一の生物であるかような佇まいで、無機質な世界に囲まれ頭を抱える。

 和田の装いや表情の変化に呼応するように、背景としての東京も色合いを変え、また彼女との距離感を変えていく。作品全体を通して一篇の台詞もないこの個人PVだが、感情の移ろいを饒舌に描き出した一作である。

 次回みていくように、こののちも和田が主演する個人PVでは、彼女と東京という場との距離感が繰り返し形を変えて登場する。担当する監督も作品ごとに変わり、また彼女自身の実存に結びつけるのかフィクションの人物を描くのかといった、虚実のグラデーションも作品のたびに異なる。それでもなお、彼女を主役に迎えたショートムービーが、幾度も同じモチーフを呼び寄せているのが面白い。

乃木坂46「個人PVという実験場」

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