■バンドから外された理由は?

――三宅さんとリーダーは、落研の先輩と後輩であると同時に、音楽と笑いを融合させた“東京喜劇”を貫き通す『熱海五郎一座』の座長と座員という関係。もともとは、2004年に『伊東四朗一座』として始まり、伊東さんが出演できない場合は、『熱海五郎一座』という名前にし、三宅さんが座長を務めるようになった。

渡辺 僕、最初からは出てないんですよ。コント赤信号の小宮(孝泰)と(ラサール)石井は出てるのに。客席から観てて、すごく面白かったんですけど、寂しくもあった。それで楽屋に行って、三宅さんに「僕も出してくださいよ~」って言ったら、「ああ、ナベもいたよな」と(笑)。

三宅 そうだったね。

渡辺 それから出演させてもらってますけど、舞台に立って、お客さんの反応を肌で感じられるのは、すごく大切な時間ですね。

三宅 毎年出演してる昇ちゃん(春風亭昇太)も、19年に落語芸術協会の会長に就任するとき、周囲に「熱海五郎一座のスケジュールだけはもらうよ」って言ってたみたいだね(笑)。

渡辺 僕や昇太さんをはじめ、出演者はみんな、個性がバラバラですけど、それをバランスよく束ねて、面白い喜劇に仕上げてくれるのが、演出と構成を担当する三宅さんですよね。

三宅 やっぱり全員が目立たないとね。順番に見せ場があれば、お客さんだって、ずっと楽しいし。

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