演じる中で揺れ動く自分の心や体に集中する。そこで感じた違和感を、自分の中から丁寧にすくい上げる。それが台本の流れとはそぐわないものだったとしても、自分の感覚を大切にする。そこに西島は、彼女の「嘘」のなさと「強い信念」を読み取る。清原自身は次のように語る。

「違和感を感じたまま、それをおいて前に進むっていうのは、百音に対しても失礼だし、作品にとってもいいことではないのかなって思うと、やっぱり気になったところはちゃんと監督に聞こうとか、キャストの方に相談しようとかはやってます」(同前)

 清原果耶は演じることを通して、自分の中に生じた“淀み”に目を凝らし、それを周囲との関係の中で“透明”なものにしていく。“淀み”と“透明”の循環。なるほど、水や空気の循環として表現できる天気、それを見つめる主人公にふさわしい。

 なお、彼女の大好物はシメサバ。少し発酵した青魚が好きだというエピソードが、単なる“透明感”という言葉に収まらない彼女の印象を的確に形容しているように思う。

(文・飲用てれび)

テレビの中の女たち

あわせて読む:
・星野源と「逃げ恥婚」の新垣結衣、恋愛では駆け引きを重視するタイプだった!?【美女の運勢占います!】
・瀬戸朝香が「人生最高の一品」と語った名古屋グルメ「鉄板ナポリタン」発祥の店とは!?
・乃木坂46MV「世界で一番 孤独なLover」と「Wilderness world」に見る都市の風景の変化【乃木坂46「個人PVという実験場」第18回5/6】
・前田敦子以外の初センターに立った大島優子がAKB48を国民的グループに押し上げた【アイドルセンター論】
・現役アイドル前田美里「客席が見えた瞬間、みんな溜まってたものがドーンって流れてた」【画像45枚】「坂道が好きだ!」第73回

  1. 1
  2. 2
  3. 3