■及川と永瀬、素顔や接点も見どころになりそう

 及川のファーストカットは、漁から帰港した際に百音の妹・未知(蒔田彩珠/18)に声を掛けるシーンだ。「あれ、みーちゃん」と呼び掛ける台詞に胸をグッと掴まれた方は多いのではないか。漁師の見習いとして船に乗り、ロープを結びながら方言を話す姿はつい見とれてしまう。

 メイクで日焼けをした“りょーちん”が、船からポンと飛び降りる軽快さや、少しスピードの出た車が通過する際に未知の腕をグッと引いたり、顔を近付けてちょっと弱音を吐くなど、イケメンなのは顔だけでなくモテる要素満載の男だった。そして恐ろしいことにこれら全てが無意識なのがまたずるい。

 りょーちん演じる永瀬の出身は東京だが、父親の仕事の関係で転勤が多く大阪に住んでいた期間が長いため、普段は関西弁を用いている。気仙沼で漁師をする人の方言やなまりをさりげなく発音するのは、相当の努力をしたのではないかと想像する。しかもそれを表立って言わないのが永瀬らしいし、りょーちんもあまり本音を言わないタイプのようだから本人に似ているところがあるかもしれない。これはますます楽しみである。

 次の登場は、百音が祖母の初盆で実家に帰省することで同級生が自宅に来てくれることで再会を果たす。同級生と一緒にいることで百音が実家を離れたことや大好きだった音楽を辞めてしまったこと、同級生がそれぞれかかえる悩みなどが見えてくるようなのでまた物語に深みが出てくるだろう。楽しみに待ちたい。

(文・青石 爽)

『おかえりモネ』は宮城県の海と山を舞台に気象予報士を目指すヒロインを描いたしたオリジナル脚本。永浦百音(清原果耶/19)は気仙沼の自然豊かな島で育ち、高校卒業後は家族から離れて登米市の森林組合で仕事をしている。百音の祖父の知り合いで、森林組合に山の運営を任せている新田サヤカ(夏木マリ/69)の家に下宿し、山や森のことを知っていく中で自分の将来を模索していた。ある日、気象予報士の朝岡覚(西島秀俊/50)に出会い、天気予報は誰かのために役に立つと感銘を受け気象予報士に興味を持つようになる。百音の妹・未知(蒔田彩珠/18)は将来養殖の研究者に、同級生の及川亮(永瀬廉/22)は漁師、野々村明日美(恒松祐里/22)と後藤三生(前田航基/22)は仙台の大学生、森林組合に併設された診療所に東京の大学病院から来る菅波光太朗(坂口健太郎/29)の生き方をある意味うらやましく思っていたが、海と山と空が繋がっていることを実感して天気予報という希望を見つける。森林組合で仕事をしながら勉強をするようになり、資格を取得してからは東京の気象予報会社に就職。気象予報士としてさまざまな経験を積み重ね成長し、故郷のために自分の知識と技術を生かしたいと帰郷し、地域や住む人々に貢献する物語である。

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『おかえりモネ』レビュー

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