シーズン到来!冷やし中華「マジでウマい」全国NO.1決定戦の画像
写真はイメージです

 夏本番を迎える前に、食欲を減退させる“暑さ”がやってきた。こんなときに食べたいのが、夏の定番料理、冷やし中華だ。“中華”と名がついているが、日本で考案され、各地の家庭や店で独自に発展した料理だという。日本唯一の“ヌードルライター”であり、自らが製麺所の代表でもある麺のスペリャリスト・山田祐一郎氏は、こう解説する。

「東京・神田神保町の『揚子江菜館』さんが、ざるそばから着想し、中華風にアレンジされたのが、元祖の一つだといわれます。『五色涼拌麺』というメニューで、山のように盛った麺に細切りの具材を並べるのは、富士山のイメージだとか」

 もう一つ、発祥の地とされるのが宮城県仙台市だ。

「海老の載った冷やし中華(涼拌麺)が人気の、『龍亭』という店も元祖とされています。この店に限らず、仙台には通年で冷やし中華を提供する店が多いんですよ」(全国紙文化部記者)

 冷やし中華のタレには、大きく分けて2つある。

「全国的には醤油ダレが多い印象です。冷やし中華のゴマダレは、後発だと言えるでしょう」(山田氏)

 つまり、ゴマダレは短期間で高い人気を得たことになる。一方、他のタレはあまり見かけないが……。

「だし成分で違いを出せるラーメンのスープと違い、冷やし中華のタレをアレンジするには、醤油、砂糖、酢などで調整する形に限られるからでしょう」(前同)

 そんな中、少数派ながら注目株なのが、味噌ダレだ。

「全国的に、味噌ラーメン店などが、独自の味噌系冷やし中華を出すケースが増えつつあります。また、愛知県の家庭などでは、八丁味噌を使った冷やし中華のレシピがあるそうです」(前出の記者)

 また、愛知、岐阜、三重などの東海地方では、タレに加えて、ある調味料が添えられている。

「福岡人の僕にはちょっと考えられないんですが、愛知出身の友人は“絶対にマヨネーズをかける”と主張します。そこに食文化の違いがありますね」(山田氏)

 これには、意外な背景があるようだ。

「東海地方をメインに広がるチェーン店『スガキヤ』の冷やし中華にマヨネーズが添えられていて、それが、いつの間にか、東海地方の常識になったとか」(料理研究家)

  1. 1
  2. 2
  3. 3