■テレビ朝日がコア層に振り切れないワケ

 テレビ各局は13~49歳のコア層の視聴率を重視しているが、TBSは従来の「ファミリーコア」(男女13~59歳)から、今春からは「新ファミリーコア」(男女4~49歳)をターゲットに据えている。

 また、テレビ朝日は、より幅広い世代の視聴率を得るための番組作りをしているという。2020年6月、同局の編成担当の西新取締役は「オールターゲット、あらゆる層の方に見ていただくのが、我々の狙い。時間帯によってはテレビの前にいらっしゃる層を選定しながら放送することもあると思いますが、全体としてはテレビ朝日を選んでくださる方、全体を狙って番組を作っていきたいと思います」と話した。

「テレビ朝日がこのように言っているのは、同局には『相棒』や『科捜研の女』、『特捜9』、『警視庁・捜査一課長』など、視聴者のほとんどがシニア層というドラマが少なくないからでしょう。コア視聴率偏重になれば、これらの人気ドラマシリーズも打ち切りの対象になりかねないですからね。

 また、バラエティ番組では『ザワつく!金曜日』もシニア層から圧倒的に支持されている番組で、世帯視聴率は15%を超えることも少なくありません。しかし、コア視聴率では3%程度にとどまっていますね。

 世帯視聴率では、同時間帯のダウンタウン・浜田雅功さん(58)がMCを務める『オオカミ少年』(TBS系)を10%以上圧倒していますが、コア視聴率となると『ザワつく』は『オオカミ少年』よりちょっといいぐらい。『ザワつく』の視聴者層は、ほとんどがシニアということですよね」(前出の民放キー局ディレクター)

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