■「彼女の完ぺきな演技に本当に感服しました」

 長澤はこの超ヒット映画に、東南アジアの大物マフィアの秘書、小林杏奈として出演した。重要人物の小林が誘拐されたことで物語が大きく動くほか、終盤まで長澤がらみの多くの名シーンが用意されていた。映画パンフレットによると、日本人キャストでは、特に複数の作品を掛け持ちしている時期に出演してくれたそうだ。

 映画を手がけたチェン・スーチェン(陳思誠)監督も長澤を高く評価しており、中国メディアのインタビューに、

「●●(ネタバレのため伏せる)のシーンで長澤まさみさんが初めて演じたのを見て、“呆然”としてしまいました。もう2回目はやってもらわなくても大丈夫だと思いました。彼女の完ぺきな演技に本当に感服しましたし、それをモニターの向こうで見ても、とても感動しました」

 と答えている。

「実は、以前から長澤は中国で人気の高い女優です。中国では好きなアイドルなどを食に例えた愛称をつけて呼ぶ習慣があり、長澤は“ゴマペースト”を意味する“majiang”呼ばれています。無理やり日本風にするなら”まーちゃん“ですね。19年6月に第22回上海国際映画祭に『コンフィデンスマンJP』で参加した際に長澤はこのあだ名について、

“皆さんにフレンドリーに呼びかけていただいて温かい気持ちになりました”

 と気に入った様子を見せていました」(現地のライター)

 背中が大胆に開いた品の良い朱色のドレスを着こなして歩く姿は大歓声とどよめきを巻き起こし、その模様は中国全土に放送、配信され「長澤まさみ」は瞬間的にトレンドワードの1位になるほどの大反響だったという。

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