■「経年美化」を語っていたことも
「年を重ねて風貌が変わっていくことを“劣化”という人もいますが、奇しくも、三浦さんが生前最後に収録した8月27日放送のNHKの紀行番組『世界はほしいモノにあふれてる』では、実に深い哲学を語っていました」(前出の女性誌記者)
時間を経て物質が劣化することを「経年劣化」というが、三浦さんは18年に購入してお気に入りの『岩手県の浄法寺の漆椀』を持ち、
「こうやって、徐々に色落ちがわかると思うんですけど、『経年美化』として楽しめる。ずーっと。それが漆の良さなんだよね、って」
と語っていたのである。
「だからこそ、“経年美化する三浦さんをみたかった”と悔やむ声がいまだにあります。晩年に共演していた草刈さんは“すべてのことに一生懸命取り組んでいて、役者としてのプロ意識を感じました”としていたし、國村さんは15年の『進撃の巨人』を振り返り“はにかんだような表情が彼らしいと思ったし、撮影現場では非常にストイックでもありました”としていました」(前同)
渋い演技で、作品にとって欠かせない輝きを放つ國村隼や草刈正雄。彼らののように「経年美化」を遂げた三浦さんの姿を、観てみたかったーー。