■女性にとってプライベートと仕事の両立とは

 美月も高岡も日々本当に頑張っているなと思う。二人は医者だが、どんな仕事をしていても、女性としての選択や決断は常にある。仕事をする、結婚をする、出産をする。どんな業種や職種にあっても、女性特有の悩みはついて回るし、年齢を重ねる度にその選択が重くなっていく。美月のように、情熱を持って仕事に全力を注いでいるのもいい。高岡のように、仕事もプライベートも頑張っているのもいい。自分が納得して生きている女性を見るのは気持ちがいいものだ。だから、美月と高岡が言い争うのを見ても、仕事の方針や価値観の違いでぶつかっているだけで、相手をたぶらかしたり陥れようとしているわけではないから不快さはそれほど感じない。

 むしろ言いたいことをストレートに言える関係は少しうらやましいとさえ思える。そもそも、彼氏がどうとか仕事がどうとか、仲が良くても悪くてもなかなか言えるものではない。それも人前で堂々と言い合えるなんて、なかなかいい関係ではないだろうか。そして、深澤が高岡に言っていた言葉がとてもよかった。

「動機はどうであれ、真面目で勉強熱心な高岡がいたから救われた患者さんがいた訳で。そこまでひとつのことをやり切れるって、すげーことだと思うよ」

 これは美月にも当てはまる。どんな患者でも受け入れたい助けたいという思いで仕事をしているのは、緊急搬送先が見つからずに手遅れで母親を亡くしたことに起因している。どんな動機であれ、仕事に真剣で前向きなことや一通りの仕事を一人で完遂できることはお互いの信頼感にも繋がる大事なことだ。単なる技術や経験だけではないところで認め合える仲間がいるのは心強いし、チームとして成熟していく様子を見るのは気持ちがいい。

 次回は成瀬(田中圭/36)が抱える過去に迫るようだ。どんなことがあったのか見届けたい。

(文・青石 爽)

『ナイト・ドクター』は、夜間救急専門の「ナイト・ドクター」として勤務する医師たちを描いたオリジナル脚本。柏桜会あさひ海浜病院は『365日24時間、どんな患者も断らない医療』を目指し、崩壊寸前の救急医療を立て直すべく、新たな働き方として夜間救急専門のチームを設立することになり、救命に情熱を持っている朝倉美月(波留/30)、美月の先輩救命医で現実主義の成瀬暁人(田中圭/36)、元内科医で病気がちな妹を大切に思う深澤新(岸優太/25)、研修医上がりでムードメーカーの桜庭瞬(北村匠海/23)、仕事もプライベートも完璧な高岡幸保(岡崎紗絵/25)、技術も皮肉も一流で指導医の本郷亨(沢村一樹/53)といった、年齢も性格も価値観も全く異なる医師たちが奮闘する青春群像医療ドラマである。

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