乃木坂卒業前に撮影されたこの作品。そこで、まだ髪の長い彼女は、1カット長回しで歌い、踊り、街の中を移動する。私は彼女のことをよく知らなかった。いまでも彼女についてそんなに知っているわけではない。が、その数分の映像に、なんだか心を打たれてしまう。語るような歌声と躍動する身体。映像に残る足音。「一歩 一歩 一歩」というシンプルなサビのフレーズ。自己表現を通じて確実に一歩ずつ前に進んでいく彼女の姿には、ファンを超えて見る者を惹きつける普遍性が宿る。

 同作の中で、彼女はこう歌っていた。

「こんな変な私だけど 見つけてくれてありがとう/どうして私を選んだの?/どこから巡って辿り着いたの?」

 私は、主演ドラマを巡って彼女に辿り着いた。8月には主演映画『サマーフィルムにのって』が公開予定だ。「一歩 一歩 一歩」と確かな歩みを重ねてきた伊藤万理華に、これからも多くの人が巡り巡って辿り着くことになるのだろう。

(文・飲用てれび)

テレビの中の女たち

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