■平野の芝居に期待する理由

 平野は、これまでテレビドラマでは主に個性の強い人物を演じてきており、『SHARK』(2014年・日本テレビ系)では情熱的なバンドマンのボーカル・倉田瑞希を、『花のち晴れ~花男Next Season~』(2018年・TBS系)では財閥の御曹司・神楽木晴を、『未満警察 ミッドナイトランナー』(2020年・日本テレビ系)では警察学校の生徒・一ノ瀬次郎を演じた。どれも、いわゆる一般的な職業で生きる普通の人物ではない、難しい役を演じてきた。

 そして、出演する連続ドラマ全てで主演を務めるという選ばれし者が歩む道をゆく逸材であること。それは、視聴率や話題性などはもちろん、これまでの舞台や映像作品での経験とパフォーマンス、本人が持つタレント性や魅力に芝居の質が伴っていることなどが備わっているということだ。

 その平野が、新任の体育教師を演じるという。平野らしい明るさや筋肉質だという体格を生かした、年齢も役柄も等身大の役だ。実在する高校のポタージュを、水橋文美江氏の脚本、平川雄一郎氏の演出という豪華な布陣で制作された。これは重厚感あるTBS系のヒューマンドラマの名作の数々を彷彿させたがその期待を超えてくる仕上がりだった。

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