■桐谷美玲は大の辛党

 辛いものに目がないという、桐谷美玲が足繁く通う店は神保町にある。地下鉄神保町駅を九段下側から出て、靖国通り沿いを歩くとすぐの中国料理店「源来酒家」だ。同じ神保町の専大前交差点の北東側の裏路地に、2015年まであった「源来軒」がいわば本店。そちらは戦後すぐの1946年創業で、専大の教職員相手のちんまりとした大衆的な店だった。

 主人は先だってコロナ再流行で港が閉鎖された浙江省・寧波の出身で、現地から取り寄せた餅料理も売りにしていたようだが、ぼくはランチ利用でタンメンぐらいしか食べていない。また、ぼくは知らなかったが、末期には後述する桐谷美玲お薦めの麻婆麺(ランチ1050円、ディナー950円)がそちらでも食べられたらしい。

■海鮮料理が売り

 源来酒家に話を戻すと、源来軒の二代目店主の次男=三代目が1996年に開業。より本格志向でオリジナリティにも富み、寧波料理らしい海鮮も楽しめる。近隣に出版社も多いから、打ち合わせでこの店でご馳走になることもしばしば。「麻婆麺ばかり有名になって、あまり知られてないけど、ウチは海鮮が自慢だよ」とは、おしゃべり好きな三代目も注文を取る際にも語っていた。

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