■山本昌に驚きのアドリブ演技

 編集部のエース的存在が後輩を育成する立場になることに悩む尚美。そんな彼女が伊藤に幻の野球グラウンドへ導かれ、そこにあらわれたのが日本のプロ野球選手でただ一人、50歳まで現役で投げ続け、数々の金字塔を打ち立てた伝説的エース、元中日ドラゴンズの山本昌(56)だった。

 山本は“引き際”について「後輩たちの成長を見て、そして今の自分を外から見て、“この場にいちゃいけないな”と思うときが、引き際じゃないかなと、僕は思います」と尚美に語りかけ、「まだまだやれる」と思っていた自分が引退を決めたきっかけを明かした。

 これに、尚美が「あたし、変われますか?」と問うと、山本は「これまで一生懸命、夢中でヤルことがあった人だったら、どんなことでも夢中になることを探せるんじゃないですか。大丈夫だと思います」とうなずき、尚美が「昌さん強いな~」と言うと、「強くないですよ」と笑った。

 ほかのレジェンドよりもセリフが長めで、山本のことを理解している脚本家のリアルな力作かと思ったが、番組公式ブログによると、なんと、このシーンは山本と板谷のアドリブだったそうだ。レジェンドと演技派女優の台本なしの熱弁だったからこそ、胸に響く“引き際の美学”を語れたのだろう。

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