フジテレビ『ナイト・ドクター』9話は、キンプリ岸優太「ドラマでしか見られない」深澤の怒りや悲しみが深く伝わる「神回」だったの画像
(左から)北村匠海、岸優太(King&Prince)、波瑠、田中圭、岡崎紗絵(画像は『ナイト・ドクター』公式サイトより)
ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)の9話は、命の重さと生きていくことの難しさを考えさせられた。臓器移植のドナーを承諾した家族と、レシピエントとして提供を受けた者、それぞれの立場で感じている痛みや重みがずっしりと心に圧し掛かってきた。

■ 深澤の怒りと苦しみが痛いほど伝わってくる

 普段から穏やかで平和主義の深澤(岸優太/25)が、声を荒げて葛藤している姿に驚いた。唯一の家族である心美(原菜乃華/18)が、臓器移植のドナーになることを考えていたことに納得できないのだ。それは、生きることを諦めていると感じたからだろう、ドナーへの意思を頭ごなしに否定してしまう。深澤も医者だが、その前に妹を大切に思う兄でもある。心美もそれを分かっていて、これまで深澤が自分のために頑張って医者になったことや、いろんなことを我慢してきていることを感じ取っているからこそ、ナイト・ドクターとして生き生きと仕事をする兄をうれしく思い、また、自分が出来ることは何かないか考えていた。

 心美は優しいから深澤には元気な様子しか見せないし、深澤も心美が笑ってくれたらそれでいいと思っているから、心美が密かに回復しない自分をつらいと思っていたなど想像もしていなかったのだろう。深澤にしてみたら、いきなりドナーになりたいと話す心美に驚いただろうし、反射的に拒否反応が出てしまった。深澤を演じる岸も、普段は穏やかで、周囲からいじられたりツッコミを入れられても笑顔でじゃれている可愛らしいひとだ。

 芝居でなければこんな表情は見られないだろう。芝居になるとこうも変わるのかと思ってしまう程に、怒りと苦しみの芝居が際立っていた。

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