■発売中止から一転、発売に向かうきっかけは?

 その発売中止の発表から1か月半、ここに来てなぜアルバム発売の方向に動いたのか。

 前出の音楽プロ関係者は言う。

「ここにきてMETAFIVEのアルバムが発売の方向に動いた理由の1つは、小山田さんのバンド内での立ち位置が関係しているといいます。小山田さんは作曲面などバンドに多大な貢献をしています。ただMETAFIVEは、小山田さんのソロユニット、彼がメインのバンドというわけではないですからね。いじめ騒動が燃えさかる際も、“この作品まで発売中止することはないのでは?”という声も多くあったといいます。 

 また、7月30日に音声ファイル共有サービス『SoundCloud』などで公開されたポッドキャストの中で、メンバーの砂原さんが“もう工場に入ってプレスして、多分もう(アルバムが)物体として存在してるんですよね”と話していました。砂原さんの言うように、『METAATEM』は、発売中止が発表された段階でもうプレスが始まっていたようで、ジャケットなどもすでにできていたといいます。それもあらためて発売に動き始めた理由の1つだといいます。

 そして、何より小山田さんの騒動から現時点ですでに2か月ほど経ち、過熱していたときに比べて批判の声が大分落ち着いているというのが大きい。小山田さんがメインではない、すでに商品ができているといっても、騒動真っ只中での発売なら間違いなく大きなハレーションが起きたでしょうが、落ち着いた今であれば炎上リスクは当時より遥かに低いですからね」

 7月末、アルバム発売中止を受けて、「METAFIVEもどうかアルバム中止ではなく延期にしてください」「アルバム発売中止は残念過ぎる。聴きたかった」と惜しむ声が多くネットにも寄せられていた。それだけに発売となれば、ファンにとってこれ以上にない出来事のはずだろう。

「アルバムの発売時期については、小山田さんがOP曲を担当しながら差し替えとなったドラマ『サ道2021』の放送終了を待ってからになると見られていますので、おそらく10月以降となるようです。曲の差し替え対応をしているドラマを差し置いてアルバムを出すわけにはいかない、ということでしょうね。

 また、METAFIVEのアルバムの発売は小山田さんの復帰ともいえそうですが、発売することで再炎上する可能性もゼロではないかもしれない。そうなることも見据えて、アルバムの発売イコール小山田さんの本格的な活動再開ではなく、METAFIVEのアルバム発売はひとまず観測気球となるよという話ですね」(前同)

 今度こそは、『METAATEM』が幻のアルバムにならないことを祈りたい。

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