■ヒーローものも日本原作も、昔よりクオリティが向上している

「それに、『ドラゴンボール』の頃と比べるとハリウッドも変わりました。日本のゲームが原作の『ソニック』や『名探偵ピカチュウ』は原作を見事に実写に昇華していて続編を望む声も多いくらい評価が高い。

 また、マーベル・スタジオによるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)が本格的に『アベンジャーズ』シリーズを筆頭にヒーロー映画を量産していて、今年はMCU初のアジア系ヒーロー『シャン・チー』も上映され、興行収入も世界興収が公開された41カ国中全ての主要国で1位を獲得しています。

 『聖闘士星矢』も、複数の戦士たちが悪に立ち向かう作風なのである意味『アベンジャーズ』に近い部分があると思います」

 真剣佑個人についても、ハリウッド映画自体は18年に『パシフィック・リム:アップライジング』ですでに実績があるし、アメリカ育ちなので言語の壁もない。

 くわえて、日本国内で「漫画の実写映画化」との相性の良さも証明済みだ。直近の代表作が今年4月・6月に前後編で公開された佐藤健(32)主演で同じく少年ジャンプ原作作品の『るろうに剣心 最終章』だったことからも、それが分かる。

「剣心(佐藤)の最恐の敵・雪代縁役で出演した『るろ剣』のアクションシーンも、現地で高く評価されていたようですね。ちなみに、真剣佑は水泳・乗馬・殺陣・空手・レスリングなどなど、数多くのスポーツが得意で運動神経バツグンですが、3月24日に行われた公開記念オンラインイベントによると2018年に大友啓史監督に“この作品でアクションを見せるまで、どこにも見せないでくれ。その代わり、(ここで)全部見せられるようにするから”とお願いされていたそうです。佐藤も“現場での向き合い方が素晴らしかった”“ストイックなんですけど、度が違う。どストイック”と真剣佑を高く買っていました」

 17年に公開された、同じくジャンプ漫画が原作の映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』についても、「映画の出来は別として、真剣佑の“虹村億泰”は完ぺきだった」とファンからの評価が高い。

「『ジョジョ』は主人公の東方仗助(山崎賢人)が“ハンバーグ”とバカにされるほどのリーゼントヘアーだったり、現実世界とはとても折り合わないような奇抜なファッションをしたキャラが多い。真剣佑が演じた“億泰”も目つきがかなり悪く、髪型も“頭の両側を刈り上げててっぺん部分にパンチパーマ”という実写で表現するとギャグになりかねない髪型でしたが、真剣佑は文句なしにやれていたんです。この髪型についても、真剣佑の役者としての覚悟が垣間見えるインタビューがあります」

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