■お笑い評論家は空気階段の“伝説級コント”をどう見たのか

 文句なしの優勝を果たした空気階段。お笑い評論家のラリー遠田氏は2人のコントについてこう評価する。

「彼らは3年連続で決勝に出場していて、去年は3位。実力があって優勝候補と見られていたわけです。そして、今年のネタは両方とも非常にデキがよかった。

 空気階段のネタの特徴としては、“マイノリティに優しい笑い”というのが挙げられます。漫才はボケとツッコミがありますが、コントはそれとはちょっと違います。変なこと、おかしなことをやる役がいて、もう一方がツッコむ、見守るというふうに分かれていることが多いんです。ただ、空気階段のコントではあんまりツッコミ側が変な人を否定しないんですよね。

 ツッコミというのは“おかしいだろ”、“あかんやろ”みたいに、頭ごなしの否定になってしまうことが多いんですけど、空気階段はその部分がちょっと優しいというか、変な人の個性をそのまま活かしているみたいなところがありますよね」(ラリー氏、以下同)

 特に2本目の『メガトンパンチマン』はそうだったという。

「コンセプトカフェに行ってしまった男が、変なサービスを受けるんですけど、その状況を頭ごなしに否定はしていないんです。変なことは起こるんですが、それはそれで受け入れて、驚いたり感心したりしていましたよね」

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