■映画化で再度注目されている『浅草キッド』

「芸人にとって、なにが一番辛いか、なにが一番の喜びか、たけしさんはよくわかっている。死ぬほど好きなお笑いを続けられることに勝る喜びはないんです。どれだけ多くの芸人が、夢を途中であきらめたことか。それだけに、空気階段の2人にかけた言葉には万感の思いが込められていたと思います」(専門誌記者)

 16年に特番『成功の遺伝子~日本が世界に誇る30人~3時間スペシャル』(日本テレビ系)で『浅草キッド』を披露した際も、出演者の博多華丸・大吉くりぃむしちゅー劇団ひとり(44)ら、やはり下積みを経て売れていった芸人たちは、思わず涙ぐんでいた。

 最後はひとりが「フランス座の幕間でネタをやっていた人が今や本当にフランスで勲章をもらって・がんばったよ、たけちゃんは!」と、たけしの原点である『浅草フランス座演芸場』と、16年にフランス政府から授与されたレジオン・ドヌール勲章を絡めた発言が飛び出したが、今にして思うと、この発言には運命的なものがある。

「今年12月にNetflixで、柳楽優弥(31)が若き日のたけし、大泉洋(48)が師匠である深見千三郎を演じる『浅草キッド』が配信されるんです。この監督と脚本は劇団ひとり。たけしへの熱烈な尊敬を愛で知られていますから、内容は折り紙つきですよね。

 同業者の間でもすでに話題になっていて、元テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーのYouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』で、8月28日、長年の付き合いである構成作家オークラ氏との対談で“試写で見た方がいるんですけど、大傑作らしいですよ。とんでもないらしい”“ちょっとだけ見た人がみんな、『ちょっと見てください』『早めに見てください』『やばいっす』(と言ってくる)”ということです」(前同)

 空気階段の優勝で、あらためてたけしの偉大さが浮き彫りになったーー。

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