■伝説の「京子ちゃんシリーズ」

 関根によると、さんまの舞台は衝撃だったという。

「落語やらなかったんですよ。『京子ちゃんシリーズ』っていって。“京子ちゃん、今日なんでパンツ履いてないの?”“なんでわかるの?”“だって、スカートも履いてないもん”……。俺、そのハイセンスにゲラゲラ笑ったわけ。もうすごいのよ。他は覚えてないけど」

 と、強烈なさんま体験を明かしていた。

 のちに『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で再会したときに「さんまさん。俺実はね、『京子ちゃんシリーズ』見てんのよ。あの劇場で」とさんまに明かすと、

「(息をのんで)覚えてるわ……一人だけ笑ってる人がいた」

 と、なんと客席の関根のことを、高座のさんまも覚えていたという。

「当時、センスが突き抜けていて客には受けていなかったといいますが、さんまさんに衝撃を受けた関根さんは、“面白い若手を大阪で見てきた”と、周囲に話したそうです。関根自身はそのことについてよく覚えていないそうですが、さんまさん自身は“大阪に明石家さんまってすごいセンスの人がいる”と、関根さんが宣伝してくれたのを恩義に思ってくれいた、ということです」(前出の専門誌記者)

 関根は詳細を記憶していなかったが、昨年7月放送の『明石家電視台』で、さんま本人がこの件を振り返っていた。さんまによると、場所はガラガラの『うめだ花月』だったそうだ。

「“これね、なんば花月はウケるんですよ。うめだ花月は違うね、センスが”って言うて、遊んでるネタ、そこが面白かったっていうので。それで、(関根が)東京に帰って小堺君(小堺一機)とかに“さんまっていうのがいるよ”って、広めてくれはったの」(前同)

 と、さんまは当時の関根とのやり取りを振り返っていた。非常に鮮明に覚えていることからも、さんまにとって強く恩を感じた出来事だったことが伝わってくる。

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