■母、家族への思い、悔しさまで赤裸々に綴る

 宮司アナは「母はこれまでに胃がんと乳がんを患い、それぞれ手術と抗がん剤治療を経て寛解。3年前には腹痛をきっかけに受けた検査で胆のうに影が見つかり、10時間近くの大手術を受け回復、と何度も大病を乗り越えた強い人でした」と、母親について綴っている。

 また、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年はじめ、母親から「オリンピック、見たかった」というメッセージが届き、すい臓がんがあることが発覚したと振り返っている。

 その後、コロナ禍でオリンピックとパラリンピックの延期が決定したこと、母親が「オリンピック・パラリンピックを見るまでは死ねない」と口癖のように繰り返していたこと、母親が元気なうちにと急いで結婚式の準備を進めた妹への感謝など、当時の心境や家族への思いを赤裸々にしたためている。

 そして、がんの転移が見つかるなど次第に悪くなっていく母親の病状、オリンピックを前に今年5月に亡くなったこと、「コロナさえなければオリンピック・パラリンピックを見せられていたのに。コロナがなければ、もっと会えていたのに」と悔しさも露わにし、いまだに母親の死を受け止められずにいる自身の現状についても触れている。

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