■キャラクターの掛け合いが魅力的

「仮面ライダーは演技未経験の役者を使うことが珍しくないですが、『ビルド』の場合は武藤氏の持ち味であるキャラクター同士の会話劇を重視していたこともあり、主演の犬飼さんをはじめ、メインキャスト全員がすでに俳優業でキャリアがあり、最初から演技が安定している役者ばかりでした。アドリブもバンバン取り入れていて、ストーリー以上にキャラクターが非常に魅力的なことが、今回のランキング結果からも分かります」

『ビルド』は冒頭の「前回のあらすじ」が漫才のような掛け合いで展開されるほか、本編でも軽快なセリフの応酬が多い。

 たとえば、万丈は茶髪で頭頂部に編み込みが入ったヘアスタイルをしているのだが、

一海「なんだ?このエビフライ頭」

万丈「エビフライのどこが悪いんだよ?」

一海「悪くねぇけどお前ソースぶっかけるぞこの野郎」 

 というテンポのいい掛け合いをする場面があるほか、主人公の戦兎と顔がそっくりな売れないバンドマン佐藤太郎が腰を思い切り反らせて「(バイト代で)夜は焼肉っしょーっ!」と叫ぶ場面など、劇中で印象深いシーンの多くがアドリブというから驚きだ。

「子供向けとしてはけっこうきわどいネタも多く、女性記者相手に“ホテルで朝までじっくり語り明かそう”とわざとセクハラ発言で怒らせて追及を煙に巻く場面があるほか、一海のアイドルオタクの描写が“(握手券)5万……安いっすね。あ、10万ならみーたんとツーショットとか……。”“心臓がドキドキバクバク!!いやァーそんな言葉じゃ形容できませんねェー……”というセリフを筆頭にイヤに生々しかったり、第36話では冒頭の漫才風あらすじ紹介で新ドラマ『ドルヲタ、推しと付き合うってよ』を告知したり、いろいろとやりたい放題。

 ちなみに『ドルヲタ~』は、のちにVシネマ作品で、まさかの実現を果たしました(笑)」

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