■すべてのはじまり:2021年4月5日

 まずは、開幕直後となる4月5日(日本時間)のホワイトソックス戦で放った一発。

「渡米後4年目となる大谷が、初めて“リアル二刀流”を解禁した一戦でした。投手が二刀流で出場するのは大リーグ全体でも118年ぶり。全米の注目が集まる中で、大谷は初回に投手で163キロの剛速球を披露、その直後となる裏の第1打席で特大ホームランを放ったんです。この活躍を、大リーグ公式サイトは“歴史的なショーだ”と感嘆の言葉で報じています」(前出のMLB担当記者)

エンゼルス公式ツイッターより(以下同)

 続いては、6月28日(日本時間)のタンパベイ・レイズ戦。エンゼルスの1点リードで迎えた9回2死の場面で飛び出たのは、伝説級のホームランだった。

「右腕フェアバンクスが投じた約153キロの内角直球を、大谷が豪快にアッパースイング。天高くレフト方向へ飛んだ打球は、外野フライになるかと思いきや、そのまま左中間スタンドまで届いてしまいました。打球角度が38度という、この異常な高弾道ホームランは、米紙『ワシントンポスト』で“スイング分析家”と称されたクレイグ・ハイアット氏が改めて動画を紹介したことで、再び脚光を集めています。また、エンゼルスの公式ツイッターは、ホームラン動画を伝説の生き物である“ユニコーン”の絵文字と共に紹介しました」(同)

 大谷がホームランの量産体制に入った夏。その中でも、特に印象に残っているのが7月10日(日本時間)のシアトル・マリナーズ戦で放った第33号だ。

「かつてイチローがホームグラウンドにしていた、T-Mobile Park(旧・セーフコ・フィールド)で放った一発は、スタンドの最上段に突き刺さる特大アーチ。中継では、チームメイトたちが口をあんぐりと開けて驚く様子が流れました。元メジャーリーガーの川崎宗則氏も、ABEMA『SPORTSチャンネル』で、このホームランを“今季で最も印象に残った一発”に挙げています」(同)

 大谷の評価をさらに高めたのは、オールスターゲームが終わって間もない7月28日(日本時間)のコロラド・ロッキーズ戦。この試合で放った第36号ホームランに、メジャーリーグのレジェンドも舌を巻いている。

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