■健やかな頭皮と髪の毛を作る食生活

 続いて、食生活。どのような食材が、健やかな頭皮と髪の毛を作るのか。漢方に詳しい薬剤師の平地治美氏に聞いた。

「頭皮にとって、良いたんぱく質をとることが特に重要です。野菜中心の食事にすることで、たんぱく質が不足している方は意外に多い。ゆで卵、ナッツ、この季節だとサンマやイワシ、それと体を温める作用がある羊肉などもオススメです。また、食事の時間が不規則な方はプロテインを飲んで、手軽に、たんぱく質を摂取するのもいいと思います」

 飲食店の時短営業が、全国的に解除され、さっそく酒場に繰り出した人もいるだろうが、薄毛の人は深酒は避けたほうがいい。アルコールの分解には、毛髪の新陳代謝に深く関わるビタミンB群が多量に消費されてしまうからだ。

「お酒は血行を盛んにし、ストレス解消にもなりますので、ビールでいえば一日1本まで、週に1日は休肝日を設けるようにすれば、そこまで心配はいりません」(板羽氏)

 睡眠も髪の毛にとって、非常に大事な要素だ。午後10時から午前2時は、成長ホルモンが集中的に分泌される“ゴールデンタイム”と呼ばれ、この時間に睡眠を取ることが重要だ。

「就寝時には副交感神経が優位になるので、頭皮周りの毛細血管の血流も良くなります。ただ、ゴールデンタイムに眠ることが難しい人もいるかもしれません。私は日頃、午前2時半から8時半まで寝るようにしています。時間帯にかかわらず、6時間睡眠できれば問題ないでしょう」(前同)

 頭皮マッサージをする際は、洗髪時と同様、指腹でなく指頭で行うこと。そして、育毛剤を使用する場合は、塗布してから5分ほど時間をおいてマッサージするといい。

「育毛剤をつけてゴシゴシとこすったほうが浸透する感じがしますが、実は育毛剤を塗り込んで、すぐマッサージすると、育毛剤を毛穴から押し出してしまうことになるからです」(同)

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