■「『M-1』の結果は、もう吉本が全部決めてある!」「お前らは吉本の餌食だ、吉本のエサだ!」

「ラパルフェのネタは、現在でもYouTubeで公開されていますが、衝撃的でしたね。最初の1分くらいは阿部寛演じるドラゴン桜の桜木弁護士のモノマネをした都留が“拍手してないで東大へ行け!”とボケで笑いを取ったり、尾身がツッコミ役で“メガネ屋での買い物”をネタにした、ふつうの漫才をやっていました。ところが、阿部のモノマネが出すぎているから1度仕切り直そう、と尾身が提案したところで、都留が“お前、俺たちみたいな漫才が決勝に行けるって本気で思ってるのか?”と、『M-1』に対して、とんでもないブッコミをしてきたんです」(前出の専門誌記者)

 同じくキャラ芸人ですでに敗退したガーリィレコードアイデンティティの小道具を「形見」として床に投げ捨て「俺たちも今日でそうなるんだ!」と告げる都留に、「僕たちが史上初(ファイナリスト)になる可能性もあるでしょ?」と尾身は反論したのだが、都留はここで爆弾を投下した。

「『M-1』が正当に審査されている大会ならな……。いいか、『M-1』の結果は、もう吉本が全部決めてある!」

「お前ら(観客)がいくら心を込めて応援しても(ワタナベエンターテインメントの)四千頭身Aマッソは落ちる!」

「いいか? 今年の『M-1』1回戦における吉本芸人の割合は19.5%。しかし、それは2回戦になると46.6%だ。3回戦では59.3%、準々決勝では72.4%に膨れ上がる!」

「勝ち上がれば芸人にはハクが付く。そうすればお前らに刺さりやすくなる。しまいにはお前らは劇場に通い、どこで貼ればいいのか分からないステッカーを買うようにできてんだ!」

「お前ら今日新しく刺さる芸人見つけたか! 調べろ、そいつら吉本だぞ。お前らは吉本の餌食だ、吉本のエサだ!」

 と、『ドラゴン桜』で受験テクや社会の厳しさを生徒に叩きこむ際の阿部のトーンで観客に向けてブチまけてみせたのだ。

 この予想もしないボケに対して、会場は大ウケ。拍手や笑い声が轟いていた。

 ちなみにステッカーのくだりはひときわ笑いが大きかったのだが、本人たちも特に手ごたえを感じていたらしく、後日YouTubeチャンネル『ラパルフェの俺がついてるぜ』で行った反省会で尾身は「気持ちよかったな、ここ」「この5秒間くらいだけ棺桶に入れてもらおうかな?」としており、都留も内心で「ウケたなぁ……」と喜びをかみしめているのが、漫才中に顔に出ていたことを指摘していた。

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