■ラストを見事に締めた松下洸平の柔らかな演技

 警察は加瀬を追ったが、加瀬は電話で「法律では守れないものがある」「2人には一点の曇りがない人生を送ってほしい」と、大輝に梨央と優を託す。その後、「ひとつの目標を達成した今、次の目標に向かいます。人生最良の16年間に感謝します」と、退職届けを残して姿を消した。

 そしてラスト、梨央と大輝は達雄の墓参りに。大輝が「あいつ(弁護士を目指して大学で学ぶ優)も忙しそうやな」と語りかけると、梨央は墓に花を供えながら「忙しいぐらいでちょうどええわ。今まで大変やったぶん、好きなことしてほしい」と応えた。

 これに、大輝は「梨央は?」と質問。梨央は「私は十分、幸せやよ。前よりなんもかんも明るく見えるし」と答え、「大ちゃんは?」と問い返す。大輝は「俺はお前が笑っとればそれでいい」ときっぱり。梨央が「簡単やな」と笑うと、大輝は「簡単やわ、俺は」と言って墓に手を合わせた。

 すると、梨央は「大ちゃん。私、なんとなく分かっとるよ。加瀬さんのこと」と言って大輝を見つめる。大輝は目をそらして「なんのことや?」と、ごまかすように返事。再び2人が見つめ合うと、雪の中の帰り道のシーンに変わり、水桶を持とうとする大輝の手を梨央が握る。

 梨央が笑っていると、大輝はその手を握ったまま自分の上着のポケットへ。大輝が「ちっちゃい手やな」と言うと、梨央が「あったかい手やな」と返し、2人の背中と足音とともに最終回が終幕した。

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