■「テレ東ドラマはパッケージを作るのが巧くて上手」

「みんな上手い役者さんには共通してることがあります。

 僕は下手すぎるのでどうやったら上手くなるんだろうと思ったら、『日本沈没』の小栗旬さんもそうですけど、“間”が上手というか。僕はドラマ畑やカメラに慣れてないから焦ってどんどんセリフを言っちゃうですけど、自分の“間”で喋ってるんですよね。『最愛』の松下さんの“……おい…それ、ホンマか?”みたいな。俺は“お前ごときにそんなカメラ回さないよ”みたいに思っちゃうけど(笑)。小栗旬さんとか松下洸平さんの間はすごい。

 芸人でも間がすごく大事って言うし、うまい間と下手な間があると思うんですけど、流石だなと思いました。その“間”を楽しむには、『最愛』はいちばんだと思います」

――『八月は夜のバッティングセンターで。』は、実在のプロ野球選手が多数出演して話題になりましたね。

「単純に、僕は野球が好きなので、プロ野球選手が出てくるのがよかった。

 テレビ東京のドラマって24分くらいしかないんですけど、パッケージを作るのが巧くて上手だなって思います。『スナック キズツキ』や『孤独のグルメ』もそうですけど、1個設定を決めたらそうするのがすごく上手で。『バッティングセンター』も、“悩んでる人が夜バッティングセンターに来て、仲村トオルさんが見て、バッティングに絡めた人生論を語って、プロ野球選手が来て、アドバイスして解決する”みたいな。僕もお笑いの話するときに野球に例えたりするんですよ。“この笑いはホームラン打ったな”みたいな。野球って例えるのにすごくいいスポーツだなって思っていて。それとバッティングセンターをうまく融合させたドラマだったからこのパッケージはすごく好きだし、ずっとできるなと思いました」

――なるほど。

「あと、テレ東のドラマはすごく短いのに最初にオープニング主題歌があって、エンディング曲もあって。昔のドラマは(他局も)そうだったじゃないですか。そこがちゃんとしてるから。音楽もおしゃれなんですよ。『バッティングセンター』はクリープハイプが主題歌を歌ってましたけど、音楽もおしゃれだし、パッケージもおしゃれだし。

 ということで、テレ東ドラマは面白くて、このドラマもよかったな、と思いました」

ー―『孤独のグルメ』もそうですよね。主題歌があって、お店で食事をする。

「たぶん、予算がないからオールロケみたいになるんですけど、観てる人からすると中途半端に安いセットを組まれてセット感があるより、ロケの方が奥行きがあって見やすいじゃないですか。それが功を奏してテレ東ドラマはいいのかもしれません。

 けっこうロケばっかりなんですよね、テレ東の深夜ドラマ。あまりセットが出てこないのが、いいのかもと思ってます」

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