■ザコシと小峠の間にも友情が

「また、現在の錦鯉の芸風についても、当時はふつうの漫才だったのが“こーんにーちはー!”を代表するようにバカを全面に出したことで一皮むけましたが、これも“雅紀はバカなんだから、バカを押し出していけよ”というザコシショウのアドバイスがきっかけだったと渡辺が著書で明かしています」(前出の専門誌記者)

 そんな錦鯉に大きな影響を与えたバイきんぐとザコシショウだが、この両者にも熱い友情秘話がある。

「バイきんぐは、2012年の『キングオブコント』で優勝したことでブレイクしましたが、その直前までやっていた2ヵ月に1回新ネタ6本披露するライブを止めようと考えていたところに“止めるのは駄目だよ、もう1年頑張ればキングオブコントの決勝に行ける”とザコシショウがアドバイスしてくれた結果、いまやバイきんぐのレジェンド級のネタとなった『帰省』が生まれたといいます」(前同)

 一方のザコシショウも、ファミレスで小峠やケンドーコバヤシを相手に「なんで俺だけ(売れてない)」「お前らはいいなあ」と愚痴をこぼしたところ「ザコシさんね、一度言わなきゃダメだと思ってましたけど、あんた、人のせいにしてんだよ!」と叱責されたことが功を奏したのか、16年に『R-1ぐらんぷり』で優勝できたことを、18年に『お笑いナタリー』のインタビューで明かしている。

『くすぶり中年の逆襲』で渡辺は、

「ハリウッドザコシショウ、バイきんぐ、この人たちはいなかったら、オレは芸人を辞めていたかもしれない」

 と語ってる。

タカトシの2人、バイきんぐ、ザコシショウ。誰か1人でも欠けていたら、錦鯉はいなかったのかもしれないーー。

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