■柄本家の両親はそれぞれ重要な役を好演

 まず、柄本明は94年の『ゴジラvsスペースゴジラ』と16年の『シン・ゴジラ』で、どちらも非常に見せ場のある役で出演している。

「『vsスペースゴジラ』では、ゴジラ打倒に執念を燃やすGフォースのはみだし隊員である結城晃を演じていました。映画内では失敗に終わりましたが、弾丸『結城スペシャル』を開発する場面があったり、人懐っこい性格の無害な“リトルゴジラ”に懐かれていたり、出番も多かった。当時は結城スペシャルは地味な扱いでしたが、『シン・ゴジラ』にて再注目されることになりました」

 柄本明が内閣官房長官の東竜太として出演していた『シン・ゴジラ』では、終盤にゴジラを討伐するべく「ヤシオリ作戦」という自衛隊、米軍、その他協力組織によって展開された大規模作戦が決行される。ゴジラは生体原子炉を持っており、排熱処理は血液による液体冷却で行っていることに目を付けた作戦である。

「血液擬固剤を大量にゴジラに注入し生体原子炉を強制的に停止させることで、ゴジラの体温を急激低下させて氷漬けに、という作戦でした。これを“結城スペシャルへのオマージュではないか”と指摘する声もあるんです」

 ちなみに柄本演じる東は、物語中盤に総理大臣(大杉漣)もろともヘリをゴジラに撃墜されて死亡してしまうが、過去に主人公の矢口蘭堂(長谷川博己)を内閣官房副長官に推薦し引き上げたり、ゴジラ出現時は臨機応変に対策会議を仕切ったり、「総理、ここは苦しいところですが、被害の拡大を防ぐためにも、総理のご決断をいただかないと」というセリフを筆頭に、「理解は示しつつも決断させる」という裏回しをしたりと、大活躍だった。

「次に角替さんですが、『龍騎』にて紅茶メインの喫茶店『花鶏(あとり)』のオーナー・神崎沙奈子(かんざき・さなこ)を演じていました。ヒロインで多くの謎を抱える神崎優衣(藤沢あやの)の叔母で、須賀貴匡(44)演じる主人公の“城戸真司/仮面ライダー龍騎”や、松田悟志(43)演じる“秋山蓮/仮面ライダーナイト”も居候して働いたりと、日常パートの拠点となっていましたね」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4