■濱口監督や西島は東出を高く買っていたが…

 発覚前は「役にのめりこんでいたのでは」と思われていたが、記者会見でも「麦と亮平(東出の1人2役)で東出のキスが違った」「東出にでっくんと呼んで、と言われた」と話したり、他にも取材のたびに東出への恋愛感情をほのめかすような発言を繰り返していたことも、不倫報道を過熱させていたのは記憶に新しい。

「専門誌『キネマ旬報』のランキングで2018年の日本映画第4位に選出されるなど、非常に評価が高い作品。カンヌ映画祭にも出品されているし、世界レベルの作品ではあるんですが、東出の胸中は複雑かもしれませんね」(前出の映画ライター)

 かつて『寝ても覚めても』の公開当時のインタビューで、濱口監督は東出をこう評価していた。

「まず、第一に“外見”。そこが(東出が演じた役の)麦に必要な要素でした。とても大きいから、集団のなかでもひときわ目立つし、黙って立っている時の異質な感じがすごい。また、カンヌで実感したんですが、本当にきれいな顔をしていて、とてもミステリアスな印象を受けます」

「東出さんは実際に話してみるととっても“良いお兄ちゃん”で、そこは亮平的要素です。バラエティ番組を観ていても、テレビでこんなに素を見せ、無防備でいる人もあまりいないなと驚きました。その2つの要素を持っていますが、本当の東出さんは内面的にも麦みたいなところがあると僕は思います。それは、周りの目をそんなに気にしないという部分。東出さんのなかでその両面が振り子のように揺れている。今回、その両方の要素を出してもらえたので、とてもいいキャスティングだったんじゃないかなと思いました」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4