■狛犬のルーツはスフィンクス?

 その2体が神社に置かれるようになり、外見も区別されるようになります。右側の獅子は口を開けていて、左側の狛犬は口を閉じていて角(つの)があります。最初は、このルールがしっかり守られていたのですが、時代とともに、人々は狛犬と獅子の違いを忘れてしまいます。そのうえ、両方をまとめて狛犬と呼ぶようになったのです。

 さらには、その違いを知らずに、多くの狛犬が奉納されたり作られたりもしました。そのため、現在ある狛犬は、口の形や角の有無など多種多様なものが存在しているのです。

 そして驚くべき説がもうひとつ。朝鮮半島や唐から伝わったとされる獅子ですが、その前はどこからやってきたのだと思いますか? なんと、今のエジプト近辺だという説があるのです。ピラミッドを守るように建つ、あのスフィンクスがルーツなのだとか。

神社にある狛犬のルーツが遥か遠くのスフィンクスだなんて、なんだか夢があるとは思いませんか?

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