営業トークの途中でもウトウト!強烈な睡魔に人生を狂わされ……

そのほか、遺伝的な要因もあるという。
「親子で声が似ているということは、ノドの構造も似ているということ。親がイビキをかいていたり、睡眠時無呼吸症候群だった人は、自分もそうなる可能性が高いです」(同)

こうして睡眠時に無呼吸になると、どんなに寝ても実は眠れていないという、悪夢のような生活が始まる。
「重症になると、無呼吸時の酸素濃度がエベレストにいるくらい、薄いことも。そのたびに呼吸しようと、脳が覚醒するので、熟睡できません」(同)

人間が生きるうえでは、脳を休める"ノンレム睡眠"が必要となるが、これが一切できないというのだ。

そのため、日中に眠気やだるさ、集中力低下といった症状が出るのだが、これが、まさに人生を狂わせる。

妻に寝息が止まっているのを指摘され、病気に気づいたというメーカー勤務のIさん(42)は、こう語る。
「デスクワーク中の居眠りは当たり前。重役が出席する社内会議でも寝てしまったり、営業先で先方と話している最中にウトウト……なんてこともありました。社内では、すっかりリストラ候補ですよ……」

それだけではない。病気を放置すれば、命に関わる病をも引き寄せる、恐ろしすぎる末路が待っている。
「無呼吸時に酸素が減って苦しくなると、心拍数が上昇します。それが高血圧や脳梗塞、心筋梗塞の原因となるんです。また、熟睡できず、常に脳が興奮状態だと、インスリンが多量に分泌され、糖尿病にもかかりやすくなります」(前出・伊藤医師)

こうした状況下では、太りやすくもなるため、さらに無呼吸になるという悪循環が起こってしまう。
「自宅でできる簡易検査もあるので、早めに受診しましょう」(前同)

あなたの睡眠は、本当に大丈夫だろうか――。
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