■被災地出身であるサンドとまったく同じ発言

「震災から1か月後、後の取材で“爆弾が落ちたみてぇだった”とされる惨状の福島県女川町を訪れた際に、中学生2人組が笑顔で挨拶してくれた際の出来事を振り返り“取材に来ているのだから聞くべきだろうか。『ご家族は無事だったの?』――聞けない。この景色の中で、とてもじゃないけどそんな質問はできない”としていました。

 櫻井は当時のそうした自身の心の揺れも文章に折込みつつ、周囲の人物、状況についても詳しく記述しています。非常にしっかりした取材メモがあるんだな、と読んでいて実感させられますね」(専門誌記者)

 2011年から10年にわたるレポートは、時刻や細かい描写まで正確に書かれていて、櫻井のジャーナリストとしての能力の高さが、非常によく分かる内容となっている。

「嵐の櫻井くん」だから話してくれる内容もあるということを「ある意味僕はズルい」「テレビでよく見る人(櫻井)に自分の思いを知ってもらいたい、と思わせるような『装置』を無意識のうちに使っている」としていたが、そうした冷静な視点も櫻井ならではのものだろう。

「最後に、櫻井は震災から10年に対しての率直な思いについて“節目も区切りも、きっと当事者にとってはない”“9年目や11年目と何ら変わらない10年目だとは思う”としていました。

 テレビ朝日の米田裕一ディレクターは、同じく被災地である宮城県出身のサンドウィッチマンに、

《ほんとは 節目なんてないんですけどね ただ10年たっただけ また明日が来るだけ》

 と言われたことを、3月8日にツイッターで明かしています。櫻井も、当事者と同じ目線に立ち、重みを理解している、ということでしょう」(前出の専門誌記者)

 ジャーナリスト、キャスターとしての覚悟、考えをしっかりと持っていることが、今回の記事で明らかになった櫻井翔。タレントとしても超一流だが、これからも、櫻井は多くの出来事を伝え続けてくれることだろうーー。

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