■名古屋コーチンが自慢、愛知の水炊き

 鶏肉から、うま味が出たスープを楽しむ鶏の水炊き(愛知)が第4位。

「愛知には名古屋コーチンの存在もあり、鶏の水炊き自慢の店が多い。出張族からも人気です」(料理人)

 水炊きは誰でも作りやすいが、前出の小河氏は、おいしく食べるための、ちょっとしたコツがあると言う。

「昆布をさっと拭いて鍋に入れて、水から火にかける。煮立つ直前に取り出して、鶏肉、白菜の芯、ニンジンなどを入れます。白菜の葉っぱは最後ですね」

 手順が重要なのだ。

「鶏肉は骨つき肉にすると、スープに差が出ます。なければ、手羽元をいくつか入れるだけでもいいと思います。それから鶏肉は、事前にお湯で2〜3分ほど下ゆですると、よりおいしくなります」(前同)

 ここからは、トップ3を発表しよう。

 第3位はモツ鍋(福岡)だ。福岡では金属製の鍋を用い、しょうゆベースのスープに牛または豚のモツ、ニラやキャベツ、ニンニクなどを入れるのが一般的だ。

「戦後の食糧難に、従来は捨てていたブタのモツを食べるようになったのが起源です。博多あたりでは60年代に韓国の食文化と融合して、今のような辛いものに変化しました」(遠藤氏)

 モツ鍋は、酒が進む傾向もある。

「日本酒、焼酎、ビールだけでなく、実はワインも合うんです」(情報誌編集者)

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