■5階以下なら必ず階段を使う

 食事の次は 「運動」だ。

「仕事を退職して運動量が減ったので、とにかく歩くようにしています。買い物も自転車を使わず、リュックを背負って行っています」(66・元営業マン)

 健康習慣の観点でいえば、無理してランニングに励むよりも、手軽にできるウォーキングのほうが正しいようだ。

「ランニングはすべての年代を通して最も突然死が多く、医者の立場からはオススメできない運動です。特に中高年がダイエット目的で急に走ると、心臓への負担が大きく、死の危険すらあります。まずはウォーキングを習慣化して、体を運動に慣らしてください。それに慣れてきたら、ランニングを取り入れましょう」(秋津氏)

 また、日々の生活の中での動きを、運動として利用することも覚えたい。

「家の中でも、掃除、洗車、庭の手入れの際など、立つ・しゃがむなど意識して体を動かせば運動になります。歩数でいえば、一日に最低6000~8000歩を目安にしてください」(清藤氏)

 特に、階段は“健康利用価値”が高いという。

「しっかり運動不足を解消するには、建物で5階以下までは必ず階段を使う習慣を心がけましょう。特に、階段を見たら“無料のスポーツジム”と思って、積極的に昇降運動をしてください」(秋津氏)

 運動をしたら、夜は、しっかり「睡眠」を取りたい。年を重ね、睡眠に悩みを抱える人も多いが、眠りの質を上げたければ、実は「起床」が重要だという。

「朝早く起きて、しっかり太陽を浴びることを意識してください。人間は強制的には眠れないが、起きることはできる。朝日によって、“体内時計”がリセットされます。日光の下で活動すれば、体内でメラニンが生成され、それが夜になると、睡眠の質と関係するメラトニンへと変化する。これが快眠を生む鍵です」(前同)

 加えて、現在のように寒い季節は入浴が高い効果を発揮する。風呂に入って体をじっくり温めると、心地よい眠りへと誘ってくれる。

「寝る前にシャワーですませている方は、入浴に切り替えてみましょう。入浴で体が芯から温まれば、自律神経が副交感神経優位になります。入浴して体が冷えてくると、自然に眠たくなって早寝できます」(下村氏)

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