■時代の変化がどうなるか

 現在も多くの問題を抱えつつ社会は進歩しているが、『悪女』連載当時は「女性社員より男性社員の方が偉いのは当然」「女性はそこまで高い役職に就けない」「結婚して寿退社するまでの腰掛けが基本」などなど、現代以上に会社の男尊女卑が著しく、それも物語に組み込まれていた。

 今回のドラマ版では、現代の時事問題を意欲的に取り入れており、1話の時点で20年に入社したと同時にリモートワークが始まって経験値が足りない「コロナ年入社組」の話をやることが告知されているほか、公式ビジュアルには「Z世代」「ジェンダーフリー」「コンプライアンス」「SDGs」といった単語が飛び交っており、現在の時事問題も積極的に取り入れると思われる。

「時代の変化に合わせるのは当然といえば当然ですが、これが吉と出るか凶と出るかですね。

 また、もっとも気になるのは、現時点で紹介されているメインキャラ以外に誰が出るかの取捨選択の難しさです。原作は麻理鈴が他部署や関連会社に異動して、多くの魅力的で個性豊かなキャラたちと交流や衝突を繰り返して少しずつ認められていく物語なのですが、全37巻の単行本からどんなキャラをチョイスするのかが気になります」(前出の専門誌記者)

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