■あのお騒がせ男が演じる可能性があった?

「詳細は伏せますが、高槻は女性スキャンダルで事務所を辞めてフリーになっていたり、主演に抜擢されるもうまくやれずに稽古で行き詰まったり、稽古期間中に共演女優を乗せた車を運転し広島で交通事故を起こしてほかの共演者に迷惑をかけたりと、とにかくダメな役者、という感じです。

 それでも、西島演じる家福にとっては、亡き妻の記憶を共有できる唯一の相手でもありました」(前出の映画ライター)

 家福との会話シーンや、高槻の複雑なキャラクターは多くの観客の胸を打ったと思われる。

 しかし、この設定と「濱口監督の作品」、そして過去の報道から、どうしても「あの男」の存在が脳裏をよぎったファンもいたという。

「同じ濱口監督の『寝ても覚めても』での演技が評価された、東出昌大(34)ですね。

 事務所を事実上のクビになったきっかけが、撮影中のロケ先の“広島”に新恋人を呼んでいたのが『週刊文春』(文藝春秋)に報じられたことだったことや、《顔だけ》《淡々としていると言えば聞こえはいいが棒読み》と、演技力を酷評されていることなどが、今回の高槻を想起させる、と話題になっています」(女性誌記者)

 (35)と結婚していながら唐田えりか(24)と不倫していたことが発覚し、世間の東出叩きが特に過熱していた時期、20年3月10日発売の『FLASH』(光文社)では、今回の件を思い起こさせる報道があった。

「東出の事務所、映画製作会社は取材に対し事実関係を否定していましたが、《妻子と別居中で、10年前に死んだ主人公の妻の女優と不倫していた、長身二枚目の若手俳優》《世界的な作家・村上春樹の小説が原作の映画から降板することになった》と報じられたんです。このキーワードから想起されるのは完全に『ドライブ・マイ・カー』。岡田が演じた役は本来、東出が演じるはずだった、ということですよね……」(前同)

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