人気ロックバンド、ユニコーンの川西幸一氏（６２）と、今年『塞王の楯』（集英社）で第１６６回直木賞を受賞した作家の今村翔吾氏（３７）の対談イベント「Ａｉｒｔｉｓｔと本」が、ＴＳＵＴＡＹＡ ＢＯＯＫＳＴＯＲＥ 梅田ＭｅＲＩＳＥの主催で、２０２２年３月１２日（土）に開催された。
伝説的なミュージシャンと今をときめく人気作家の組み合わせは意外とも思えるが、時代小説ファンとして知られる川西氏の熱烈なラブコールで実現したという。会場となった大阪・関西大学梅田キャンパス内のイベントホールには双方のファンが駆けつけ、また、同時配信された中継動画も多くの人が見守った。日刊大衆ファミリーでもある川西氏の晴れ舞台をひと目見ようと、当サイト記者も参加したこのイベント、日刊大衆の独占で、超ロングレポートをお届けする。
第１回／全５回
本日が２度目の対面だというふたり。
今村氏のデビュー作『羽州ぼろ鳶組 火喰鳥』からずっと読者だという川西氏は「今村先生の本で何回泣いたことか。こういう機会をもうけてもらいファンとしてすごくうれしい。聞きたいことがいっぱいある」と早くも前のめりだ。
初回の対面はユニコーンの日本武道館でのライブ後だったため、あまり深い話ができなかったそうで、さっそく「本を書かれるときは、事前にどのあたりまで構築しているんですか？」と核心をついた質問を投げた。
「最後まで、ざっくりでもストーリーを考えてから書き始める作家さんが７割くらいらしいけど、僕は最後の部分をほんのり考えるくらいで、何も考えずに書き始めます。書いているうちに最後の、ゴールの部分も変わってしまうこともありますね。宮部みゆきさんが同じタイプだと聞きます」
と今村氏が答えると、川西氏が「うちのバンドは全員が詞も曲も書くけど、メンバー５人ともタイプが違う。全部最後まで決め込んで曲を作ったりライブに臨んだりするタイプもいれば、何も考えずにやるタイプもいる。ＥＢＩ君は自由に見えて、きっちり考えるタイプ。僕はあんまり考えないタイプです（笑）」とユニコーンのエピソードも披露し、ファンは大興奮となった。
