■「小説家になりたいという思いはずっとあったけれど…」

 また、子どもの頃から作家になりたかったという今村氏。「小学5年生のときに池波正太郎先生の『真田太平記』を読んだのがきっかけで、どんどん時代物にはまって、司馬遼太郎、藤沢周平、山本周五郎、吉川英治と、とにかく読み漁りました。

 でも、すでに亡くなっている作家の方が多かったから、だんだん読むものが減ってきてしまって、じゃあ自分で書いてみようかと思ったのが中学生の頃」と明かすと、川西氏が「僕は小学生の卒業アルバムに将来なりたいものは“アメリカ人”と書いてました」と語り、会場は爆笑に包まれた。

 直木賞を受賞し、忙しさに拍車がかかっている今村氏。今年、なんと10冊の刊行が予定されているという。「毎月のように出さないと納得してもらえない状況でツラい(笑)。3年ぶりに出版したら“待望の新作!”となる作家もいる中、僕は2か月空いたら“遅い!”って言われる(笑)」と売れっ子作家ならではの悩みも明かした。

今村翔吾

 川西氏も初期ユニコーン時代はリリースの契約などもあり、とにかく忙しかったとし「再始動後は、そういうのはやめて、アルバムは出したいときに出す、出したくないときは出さないことにした」と、自分たちのペースを守りながら活動をしていると語った。この日、司会を務めた吉本興業所属の芸人「あずき坊主」から小説を書くようになったきっかけについて訪ねられた今村氏は「小説家になりたいという思いはずっとあったけれど、挑戦していなかった。

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