■エアコンやテレビの買い替え時期、半導体不足も

「大手家電メーカーのパナソニックは、原材料高騰を受け、4月以降に冷蔵庫や洗濯機などの家電製品の値上げを発表。半導体不足もあり、他メーカーの値上がりも必至ですから、買い替え予定なら今しかない。夏の光熱費消費のトップ4は、エアコン、冷蔵庫、照明、テレビ。この4製品が値上がりする前の今が、省エネ家電に買い替えるチャンスです」(丸山氏)

 この家電製品値上げの背景には、昨年から続く世界的な半導体不足があるが、金属製材料などの原材料価格、物流コストや人件費の上昇が原因だ。

 また、ウクライナ国内で半導体製造に必要な希少ガスであるネオンガス生産工場が相次ぎ操業停止に追い込まれたのも大きいという。前出の杉村氏が言う。

「同国はネオンガスの製造で高い世界シェアを誇っています。この他にもウクライナとロシアは、半導体製造に不可欠な希少ガスと希少メタルの主要な輸出国です。今回の紛争で半導体不足は長引きそうです」

 半導体不足は家電の値上げのみならず、日常生活に大打撃を与えている。

「我が家のトイレはセンサー式で、手をかざすと水が流れるタイプ。故障したのでメーカーに連絡したら、半導体不足で修理は2か月先と言われました。今は、近くの公園の公衆トイレでお世話になってます」(60代の会社員)

 半導体不足は新車の製造にも影響を及ぼしている。

「新車の場合、納車が半年以上先というのはザラで、人気車種だと数年後というケースもあります。結果、待ちきれない人が中古車市場に殺到し、中古車の価格が急上昇しているんです」(杉村氏)

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