■つい最近話題になった作品も紹介していた

 杏が「ジャンル的に私が結構好きなのが、マンガ好きなんでけど、漫画制作の裏側を描いた名作を紹介します」と切り出して紹介したのは、動画公開のおよそ2週間後、4月7日に急逝した藤子不二雄A先生(享年88)の自伝作品『まんが道』(少年画報社/小学館)。藤本弘少年と安孫子素雄少年が出会い、コンビ漫画家の藤子不二雄としてトキワ荘で過ごした青春などが描かれた、43年間の長期にわたり続いた作品である。

「ちなみに、実は18年に藤子不二雄A先生が参加した愛犬家による全28篇の作品集『ああ、犬よ!作家と犬をめぐる28話』(キノブックス)には杏さんも参加している、という縁がありました。いつか、藤子先生原作の実写作品に出る機会もあるかもしれませんね」

 同じく漫画家の自伝作品では野球漫画『Dreams』(講談社)や『4P田中くん』(秋田書店)で知られる川三番地先生がちばてつや先生のアシスタントをしていた時代を描いた『あしたのジョーに憧れて』(講談社)や、数多くの70年代のレジェンド少女漫画家のアシスタントをしていた笹生那実先生の『薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記』(イースト・プレス)を杏は紹介。

「その後、藤田和日郎先生のダークファンタジー漫画『からくりサーカス』(小学館)や武宮恵子先生のSF漫画『地球(テラ)へ…』(小学館)、果ては手塚治虫作品より歴史が古く戦前に連載していた田河水泡先生の『のらくろ』(講談社)『ベルサイユのばら』(集英社)を筆頭に池田理代子先生の漫画から“歴女にオススメの3作品”を紹介し、その後業界人も必見な漫画紹介が始まりました」

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