■ロケット失敗で資金難?!マスクの“過酷な”実業家人生

 2022年現在、民間の宇宙船ビジネスでは世界トップに君臨する『スペースX』だが、それまでの道のりは、決して順風満帆ではなかった。

「ロケットの打ち上げ失敗が続いた『スペースX』は、幾度も資金難に陥りました。3回目の打ち上げ失敗で、とうとう会社は資金が底をつく寸前になり、2008年に、マスク氏は最後の資金をかき集めて4回目のロケット打ち上げに挑戦。この打ち上げを見事成功させ、首の皮一枚で繋がった『スペースX』は、その後、世界初の“商用ロケットの再使用”や、民間企業初の“有人宇宙飛行”を実現するなど、数々の偉業を成し遂げました」(前出の経済ジャーナリスト)

 また、同時期にマスク氏が着手していたのが、電気自動車事業の会社『テスラ』だ。

「2003年にエンジニアのマーティン・エバーハード、マーク・ターペニングの2名によって設立されたのが『テスラ・モーターズ』。創業時から共同出資者のひとりとして参加していたマスク氏は、2008年にCEOに着任します。

 同年には、EVシステム(電動)を搭載した車種“テスラ・ロードスター”がリリースされ、1000万円近い車体価格ながら、受注生産枠を超えるほどの注文が殺到しました。2012年に、電気自動車としてゼロから開発した車種“テスラ・モデルS”を販売開始。その後も、会社は順調に成長を遂げ、2020年には株価で日本のトヨタを追い抜いて、“世界一の自動車メーカー”にまで発展しました」(前同)

 宇宙事業と自動車事業で世界的な成功を収めたイーロン・マスクだが、2022年4月現在、総資産額は約27兆円にのぼるとされ、米『フォーブス』誌が発表した“世界長者番付”では、『Microsoft(マイクロソフト)』のビル・ゲイツや、『Facebook(フェイスブック)』のマーク・ザッカーバーグらを抑え、第1位に輝いた。

 では、名実ともに“世界最高の実業家”となったイーロン・マスクは、なぜ『ツイッター』を買収したのか……。

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