■「ドリフと戦う気はなかった」欽ちゃんの驚きの戦略

 『欽ドン』のパイロット版を、日本テレビ、フジテレビの両者に売り込んだ萩本は、最終的にフジテレビと手を組むことを決めたという。しかし……。

「『ブラウンさん』の中で、萩本さんは、当時のプロデューサーから、“(放送の)枠は2つだけと言われましたよ。『水戸黄門』(TBS系)の40%と、『8時だョ!全員集合』(TBS系)の40%。どっちのウラがいい?って…”と、伝えられた思い出を語りました。

 どちらにせよ、視聴率が40%を超える国民的人気番組と、同じ時間帯に放送される。そんな窮地に追いやられた萩本さんは、“どんなに頑張っても勝てないと思います、って言った”、“自分の中でドリフと戦う気は毛頭なかった、だから(放送枠を)19時半からにしてもらって、当時(視聴率が)20%の『お笑い頭の体操』(TBS系/大橋巨泉が司会のクイズ番組)と戦った”という戦略を立てたそうです。その上で、番組編成を90分間の放送に変更した、と飄々と語る萩本さんの映像を見て、佐久間さんは、“編成も変えられるんだ?すげえ演者ですね…”と、感嘆の声を漏らしていました」(前出の専門誌記者)

 まだまだ、『ブラウンさん』での萩本の逸話は続く。

「萩本さんの戦略通り、『お笑い頭の体操』は、のちに『欽ドン』に圧倒され打ち切りに。しかし、“それで、強い…『クイズダービー』(TBS系/『お笑い頭の体操』終了後に放送された、こちらも大橋巨泉が司会のクイズ番組)を生んじゃいましてね。えらい目にあいました”、“『クイズダービー』を作ったのは、私でしょうねえ”と、結果的に、萩本さん自身でさらなる強敵番組を生んでしまったという逸話も披露され、『ブラウンさん』司会の中山さんは大爆笑。その映像を見ていた、佐久間さんと伊集院さんは絶句していましたね」(前同)

 そんな『ブラウンさん』の映像が終わると、佐久間と伊集院の2人は、“萩本伝説”の分析に取り掛かる。

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