■ダウンタウンの伝説の漫才に通じる…欽ちゃんの“アドリブ論”

 佐久間と、伊集院が語り合ったのは、萩本がアドリブを大切にしているという点だ。

「伊集院さんは、『欽ドン』の番組冒頭では、マイクを持った萩本さんと一緒に、一般の参加者がタイトルコールをするという流れがあり、その際には必ず失敗ハプニングが起きていたと指摘。“あれ、面白かったですよね”と、伊集院さんは、ある時の萩本さんへ尋ねたことがあったそうですが、それに対して萩本さんは、“一般の人は、だいたい3つのことをやらせると失敗する”、“だから、タイトルを言う時はカメラを見てくれ、右手を上げてくれみたいにお願いすると、ハプニングが撮れるんだ”と、教えてもらった思い出を語っていました。

 さらに、“(3つのことを)寸前で伝える”のがポイントだという萩本さんの教えも挙げて、伊集院さんは、“現代に直すと、モグライダー芝大輔(38)がそれをやっている”と、いう分析をしました」(前出の専門誌記者)

 モグライダーは、天然ボケのともしげ(39)の予測不能な言動に対して、ツッコミ担当の芝が、ほぼアドリブで合わせるというスタイルの漫才コンビ。2021年には、漫才師の頂点を決める『M-1グランプリ』の決勝にも進出した実力派。

 欽ちゃんの秘伝を令和の世でもグライダーが実践している、という伊集院の分析に対して、佐久間は「たしかに!」と、納得した様子。

「さらに伊集院さんは、“(モグライダーは)猛練習をして、予定調和でも面白くなるところまで高めたうえに、その『ずらし』をしている。欽ちゃんイズムをやっている”と語っていました。また、佐久間さんが、人気漫才師のオードリーが、最近は欽ちゃんの影響を受けて、漫才スタイルを変化させたという分析を披露すると、伊集院さんは、“(欽ちゃんの影響力は)いまだにか!すごいな…化け物ですね!”と、驚きの声をあげていました。

 さらに、4月に行われた吉本興業の記念イベント『伝説の一日』で、ダウンタウン松本人志(58)と、浜田雅功(58)が、31年ぶりに漫才を披露したことにまで話は展開。

 佐久間さんが、“段取りでも全部できるのに、(ボケの松本さんは)浜田さんに何も教えない”と、こちらも萩本さんスタイルに通ずるものがあるという指摘をしました。それに対して伊集院さんも、“コント55号では、(萩本さんの相方)坂上二郎さんの楽屋にはおまわりさんの衣装だけが置いてあって、(二郎さんが)『あっ…おまわりさんなんだ』って感じで(舞台へ)出てくる。それで、欽ちゃんの第一声が、二郎さんへ『ドロボー!』っていうところから始まる。って言ってたよ”と、コント55号のアドリブ演出の秘密を語ったところで、佐久間さんは、“いやー!しびれる話だな!”と、叫んでいました」(前同)

 萩本は、近年、年齢もありテレビで姿を見せる機会は減ったが、YouTubeチャンネル『(萩本欽一)欽ちゃん80歳の挑戦!』を開設したり、まだまだ現役。

 5月5日には、前述のオードリー若林とのラジオ特別番組の第2弾、『欽ちゃんとオードリー若林のキンワカ60分・2』が放送される。お笑いの巨人は、やはりどこまでもすごい!

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