■埋められない感情に寄り添う挿入歌『わたし』

 そんなときに流れる曲が、SixTONESの『わたし』だ。長峰を演じる松村北斗の歌い出しから流れてくるメロディーは、悲しみをまとった愛しい気持に溢れていて切なくなってくる……。それは、痛みや悲しみといった感情に寄り添った歌詞とメロディーのせいだ。

 純が、いつか壊れるものに夢中になるのは恥ずかしいことで時間の無駄だと話したときに、それを長峰がやんわりたしなめたのだが、これは永遠に解決されないお題だろう。形ある物すべてに、始まりと終わりがある。だけど、誰かを愛したり失ったりする感情そのものには、終わりがない。仕事のようにうまくいく訳ではないことを純が受け入れられたら、きっとすてきな恋愛ができるだろう。次回以降も楽しみだ。(文・青石 爽)

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